●離々日記(7)

bP 02/03/25〜02/04/27 bW 03/10/25〜04/01/22
bQ
02/05/12〜02/06/29 bX 04/02/13〜04/06/06
bR 02/07/13〜02/09/18 bP0 04/08/10〜05/03/25
bS 02/11/08〜02/12/24 bP1 05/05/12〜05/12/10
bT 03/01/07〜03/02/26 bP2 06/01/20〜
bU 03/05/12〜03/06/17
bV 03/07/06〜03/09/18

bV−1 03/07/06
 田舎に住んでいるので、話題がそれらしくなってしまう。
 以前この日記に、竹を切って竹灰作りすることを書いた。このHP上でも釉薬原料の紹介で、竹を燃すことから写真を載せている。
 しかし完全に成長した竹には、切出しから運搬、燃すまで本当に手を焼いた。今の季節はよく雨の降る梅雨なので、毎日せっせと筍を取り除いている。毎日毎日筍を採っても次の日は新しいものを発見する。雨後の筍というやつだ。
 汗まみれになって竹を燃していた去年の真夏に、近くの老人に「こうならない内に、毎朝5時に起きて筍を採りなさい」と言われていたが、なぜ早朝なのかがその時は理解できなかった。
 筍採りと言っても仕事の合間にしているだけで、私は元来そう早起きでもないし、採るのは午後とかになりがちだ。すると筍はもはや成長し過ぎていて、食用にするには大き過ぎることが多い。
 だからあの古老は、早朝にしなさいと言ったのだとようやく理解した。人に良い忠告を受けても自分で理解しないまでは、なかなか実行は難しい。
 高校生に陶芸を教えていて、「作るのに時間が掛かるから集中してやりなさい」と、よく言ってるが、最初の頃はあまり熱心とは言えなかった。しかしながら、週二回の授業を数ヶ月、半ばを過ぎたころには、結構頑張って作るようになってきた。作るのに思っていた以上に手間が掛かることを自ら学んだようだ。
 テレビなどで陶器作りとかはよく放映されているが、映像関係は当然要約するから、まるで見ている番組時間内にできてしまうような錯覚に陥りがちなのだろう。
 観念と言うか理屈だけでは人はなかなか解らない。自分自身の実際の時間が掛かった体験が必要なのだ。
 キリストの12使徒たちが、キリスト自身から教えを受け、奇跡を目の当たりにしても、彼らの中では誰が一番偉いかなどと12使徒達で争いがよくあり、キリストをしていつも彼らに戒めさせた。結局彼ら12使徒達が真に成長するのはイエスの処刑後ということになる。
 12使徒と言えどもごく普通の人間的な世俗さから脱却しにくいことを聖書から学んで、とても興味深い。   
bV−2 03/07/19
 最近友人からメールを貰った。
 日記をこまめに書けと言う。愛読者が何人かはいるようなので、率直に嬉しい。
 車の車検が近づいてきた。もちろん私はユーザー車検というものを利用していて、これで車検場へ行くのは、3度目になる。実を言うと親戚がユーザー車検屋をしていて、最初からご一緒させて貰っているのだ。
 最初の車検は車のライトの光軸がずれていると言うことで、再検査と言うことになった。本来なら検査料金がまた必要なのかも知れないが、同日なら再持込でOKのようだ。
 うまくしたもので、ごく近くにブレーキやらライト調整やら専門にいろいろ直してくれる工場があり、そこで調整して料金を払い、再度持ち込んだ。津の車検場に午前中に行ったので、その日の内に終了した。
 しかし、二度目は親戚の彼が忙しく私がラインに自分で運転して入ることとなった。
 このときは適当に並んで進入したのだが、自動検査機械の要領が解らずに、もたもたしていてアウトになってしまった。と言っても係官はとても親切で、他の車の検査方法をよく見て、もう一度並びなさいと言うことであった。
 近頃自分で車検をする人が増えてきたので、検査場の案内板をよく見ると、初めての方へと、親切にいろいろ書いてある。それでようやくクリア出来た。
 今までは、近くの自動車屋さんに出していて、かなりの金額を払っていたが、自分で行くと車検そのものは、数千円で済む。もちろん日頃の点検は大切で、私は定期的にブレーキやタイヤを交換している。
 南米のパラグァイで最初に乗った車は、ドイツ製のVWのビートル(南米ではエスカラバッホと言う。カタツムリと言う意味だ)でかなり古いものだったので、いろいろメンテナンスが大変だった。
 当時多くのVWビートルはブラジル製で、いろんな国の乗用車の中では安かったので、ブラジルはもちろんパラグァイでも多く見かけた。メキシコではタクシーとして利用されていたぐらいだ。
 同じ南米のボリビアではタクシーとしてロシア製のラダが多かった。いろいろ各国で事情があるようだ。
 それでも私のはドイツ製ということで、何とか売ることができた。次に買ったのは、ブラジル製のVW GOLというやつだった。
 エンジンは1800ccなのに車体は1300ccクラスの大きさなので、ともかく加速がすごくて、流石にラテンの自動車であった。
 USAでも車検はないと聞いている。もちろん南米ではそんなものはあるはずがなく、時間軸では年式の古いものから、空間軸では世界中からの車が走っている。
 ブラジル製のVW GOLを買おうとした時も、ロシア製のラダ、東欧の車等を見に行った。日本車などに比べると質的に劣るようだが、価格やデザインにセールスポイントを置いていて、それなりに頑張っていた。
 日本に戻ってからは、日本車メーカーの車のデザインがそう違わない気がして、単調な感じがするが、マツダの車は不思議に外国で見かけると、とてもオシャレな雰囲気が出てくる。
 選ばれる車の色彩が違うからなのか、街並みの壁の色が違うからなのか解らないが、ところが換わればこんなに見方も変わるものだ。 
bV−3 03/08/11
 私の住む近くの高校が普通科、工業科等というのではなく、総合学科ということで、大幅に実技授業を持っている。美容、写真、調理、陶芸等の授業をそれを生業としているプロが、高校の先生のサポートを受けながら教えている。
 私もそこに行くことになって一年以上となるが、彼ら高校生と付き合っていて考えさせられることも多い。
 いわゆる進学校ではないので勉強はあまりしないとは言えるが、その代わりアルバイトをよくしている。そのお金は、主に自分の小遣いとして使うようだが、携帯電話、カラオケ、楽器、CD、飲食、服と言った具合だ。
 昼は高校生ながら夜は社会人といった具合なので、ジキルとハイド程ではないが全く違う顔を持っている。
 バイトもそれなりにきつい仕事だと授業の一時限目は時々疲れ切った生徒がいる。特に我々の授業は椅子に座っているだけということはないので、疲労しているときはきついようだ。
 朝から陶芸やお菓子作りやなんやらと一日詰め込みされたら生徒も疲れるのも解る。その生徒の状態がそれなりに他の生徒にも伝播して、いい授業ができにくいと我々のような立場の先生を嘆かせることになる。
 生徒がバイトしている回転寿司のお店に偶然機会があって行くことがあった。同じような世代の若者が多く働いている中で、彼も頑張っているのを見て感激してしまった。
 陶器まつりのアルバイトにも何人かを去年からお願いしているのだが、一生懸命によく働いてくれる。服装などで少し驚かされてしまうが、評判は悪くない。 駅で偶然出会った子も学校とは少し違う喋り方で、私に話しかけてきたので少し嬉しくなった。
 我々の前では照れくさいのか、少し幼稚な喋りで親を困惑させている友人の高校二年の娘さんは、スーパーで肉の仕分けをしているそうだ。
 最近、学校を出てすぐの道で台風の中を傘も持たずに一人で駅に向かう生徒を見かけたので、つい「駅まで送ってあげよう」と言ったのだが、怪しまれて車に乗るのを断られてしまった。顔見知りの生徒ではなかったので、「そりゃそうだ」と納得した。
 今まで生活上で高校生などと接する機会がなく、通り一遍の「近頃の若者は・・」的発想を持ちがちであったが、よく見ればそうでないことが解ってきた。
 我々の頃とそう大した違いはなく、それなりに健全に成長していることを感じる今日この頃だ。
bV−4 03/09/18
 陶展が迫っているので忙しく、毎日があっという間に過ぎていくようだ。いつものように思っている以上に仕事は捗らず、日時のみが迫ってくる。
 こういう時はいつも同じように、もっと時間があればもっといい仕事が出来るのにと思うものだが、一向に改まる気配はない。
 このように仕事に追われているときは、一段と世界が狭くなる。ほぼ陶房で時間を費やし、疲れると気分転換に近所を散歩する。
 ついでに草刈りなどもするが、これもある日蝮を見たからで、危険だから蛇を発見しやすくするためのものだ。
 しかし、私の陶器作りの仕事パターンからいっても、ほぼこのような調子で年月を重ねてきたという気がする。
 何気なくいつも夏にはめる腕時計を見たら、84年のものだということを再認識した。下二桁の年数が84年から年ごとに表示してある。電池が3年でなくなるので、電池交換するたびに年号の数字の上に小さく印を刻印するようになっている。
 第一回目の電池交換の87年には刻印があるが、それ以降は何故か何もついてない。腕時計のなかに回りながら数字が入れらているので限度があって、93年で終わっている。寿命は10年ということか、すると20年も使っている訳でいい時計だということなのだろう。
 我が家の冷蔵庫はさらに古い。今年はなんだかビールが冷えなかったので、そろそろ終わりかと考えたが、原因は他にあったようで、中段に蕎麦粉を押し込んでいて冷気がうまく下に伝わらなかったようだ。
 蕎麦粉を片づけたらまた復活したようだ。この冷蔵庫は間違いなく30年は使っている。妻は古い冷蔵庫は電気代がかかるらしいから新しいものをと言うが、壊れていないものを捨てるのにはかなり抵抗がある。
 その点パソコン関係は長持ちが難しいのだろうか、最近中古ノートパソコンを手に入れたが、しばらくは調子良かったのだが、その内立ち上がったかと思うと終了してしまい、何度も再起動を余儀なくされた。
 メーカーに尋ねて処置をしても直らない。そのうち画面も真っ黒になってしまい。今は、どうしようもなくなってしまっている。
 親しい電気屋さんに尋ねると、突然終了の原因はおそらくノートの小さなハードディスクにあると言う。また液晶の寿命も蛍光灯のようなもので、バックライトが点かなくなったのだろう、ノートは少しすると壊れるものだと言う。
 私は、99年にデスク型のパソコン一式を買った。その時はISDN接続だったので今やADSLとなってしまい。当時のターミナルモデムも無用の長物となってしまった。
 一緒に買ったあまり使ってないスキャナーもプリンターも不具合が出てしまい、今や二代目になってしまった。この調子で行くと先々どうなるのか想像するだけでも恐ろしい。



冨山善夫(とみやまよしお)
都美恵窯(つみえがま)

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